映画の構造(仕組み)について考える
こんな方におすすめ
- 自分で企画を作り映画を作ってみたい
- 将来、映画のプロデューサーになり有名になりたい
映画・ドラマ業界で働きはじめて20年が経ちました。
現在はフリーランスで映画・ドラマのプロデューサー/ラインプロデューサーをしております。幅広く映像制作をしていますが、予算が1億以上の企画に参加していることが多いです。
結論から言うと映画を作るために大事なことは、
映画がどのように作られているか仕組みを理解することが大切です。
これがわかっていれば企画会社を立ち上げて、
自分の企画を映画にすることも可能です。
この記事では映画制作の仕組みを撮影の仕組みをお伝えします。
これを読めば映画制作の全体像が理解できると思います。
映画の仕組み
まずは映画を制作する際の、制作会社の構造を紹介します。
映画は小説や漫画、
オリジナル脚本などから物語をつくり企画をたてることから始まります。
この企画という部分には、
本当にざっくりしたものからクリエイターをアサインし形にするものもあります。
例えば、
「エグザイルのこの人でSFをやりたい」
「今風の恋愛映画をつくりたい」
「この監督と俳優をかけ合わせたら面白いよね」
単純に面白い小説があるから映画にしてみようというものもあれば、
この俳優でやりたいからそれに合う原作を探すものまでさまざまです。
上記の写真を参照頂きたいのですが、
幹事会社、制作会社の部分の中でこの企画会議が行われております。
企画会議には、幹事会社側と制作会社のプロデューサーが参加します。
ここで、何回かのブレストを経て、
企画する物語、主演俳優、予算が決められていきます。
おおまかな撮影期間、ポスプロ(編集作業)期間、宣伝・公開時期が決まったらスタッフを編成していきます。
制作側、技術、美術、編集、音楽と映画を作る上で必要なスタッフが集められるのです。
設計図となる脚本を何度も何度も練り直しながら、スケジュールを作り脚本を映像にするための方法を皆で考えていきます。
幹事会社の説明もしておきます。
幹事会社とは?
映画の場合、幹事会社=製作委員会です。
予算を捻出する会社が一社の場合は、その会社だけが幹事会社の場合もあります。
例えばでいうと、
- 東宝
- 東映
- 日活
- テレビ局
- 電通や博報堂など広告代理店
- ワーナーブラザーズ
- 20世紀フォックス
など、の会社です。
ちなみに製作委員会ってなに?と思う方はウィキペディアが分かりやすかったので、こちらを参照ください。
引用元:ウィキペディア(Wikipedia)より
予算を集めは幹事会社
幹事会社で予算を集めます。
この企画に使える予算が決まります。
制作会社側から、企画に対して見積もりをつくり、
脚本を映像にするのに必要な予算を幹事と話し、互いに折り合いが合う部分を探っていきます。
予算が多ければ、スタッフも豪華に集めたり、CGを増やしたり、撮影機材を高性能にすることもできます。
あとは映像を形にしていく作業です。
映画を製作するための仕組み(構造)はこのようになっております。
豆知識
ちなみによく質問されるので、
説明しておきますが映画製作と制作の違いですが、
製作が指すのはここでいう幹事会社、
企画者です。
制作は制作会社、
制作会社に雇われるスタッフ側を指すという理解で問題ないと思います。
撮影の仕組み
映画監督やプロデューサーを目指すのであれば、知っておいた方がお得だと思う知識があります。
撮影の知識です。
ここでいう知識は、
専門的な技術的なことではありません。
もちろんそう言った知識があった方がベターではあります。
しかし、あまり知りすぎると自分の想像を現実に押し戻しストップさせてしまう可能性があるため、
ある程度の知識があれば問題はありません。
カメラマンや照明技師、録音、編集がどのような作業をして、
撮影中、ポスプロでどんなことに困っているのか理解する知識です。
特にラインプロデューサーの立場で言えば予算を考える上では、
撮影の仕組みを知らなければ予算を削減する方法がわからないからです。
ラインプロデューサーについて知りたい方はこちらを参照ください。
-
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予算がオーバーしてるからカメラ機材の質を下げる=撮影のクオリティを落とすことにつながります。
これってラインを引く立場としては、もっとも簡単な選択肢で楽なのかもしれませんが最良の選択肢とは言えません。
予算の削減は見えるものをひくことでクオリティを下げる可能性があることを念頭におき、
何を引けばクオリティを上げることができるのかを考え調整していくべきです。
では、撮影の仕組みを知る知識を得るにはどうすればいいか?
答えは簡単です。
撮影を学ぶべきです。
自分でカメラマンとして撮影をしてみると言う方法が一番早いと思います。
撮影をしてみると、
- 人物を撮るときにどんなレンズが必要なのか?
- 時間や雰囲気、光の演出を照明でやる理由
- ステディなどのスタビ、揺らさないで撮影をするために特機が必要な理由
- 編集でつくるデータ
- カット割りの構造
- ダイナミックな映像を作るために必要な機材
など、沢山の知識を得ます。
この知識を使い、制作する映画に必要だと思うものといらないものを選別していきます。
撮影の知識をつけ仕組みを知ることで映画制作の幅が無限に広がっていきます。
まとめ
映画の仕組み、撮影の仕組み先ずはこの二つを学ぶことで、映画をつくることができるようになります。
自分1人ではできないことも多々ありますが、
知識さえあれば、必要なスタッフを揃えるだけです。
映画業界には、特殊な技術や知識を持ったスペシャリストがたくさんおります。
その中から選りすぐりのスタッフを選ぶだけです。
一番大事なポイントは仕組みを知って何に活かすのか?という部分です。
自分の立場によって使い方は変わってくると思うので、
「誰かがこう言っていたからそうだと思う」という意見にならないようにしましょう。
仕組みを知って何に活かすのか?を考える
最後までお読みいただきありがとうございました。