こんな方におすすめ
- 映画の制作部の仕事内容が知りたい
- 制作部になる方法がわからない
- 制作部をやってみたい
映画業界を目指す人に向けて制作部の役割を記事にしました!
映画・ドラマ業界で働きはじめて20年が経ちました。
現在はフリーランスで映画・ドラマのプロデューサー/ラインプロデューサーをしております。
幅広く映像制作をしていますが、予算が2億以上の企画に参加していることが多いです。
映画やドラマの制作に絶対必要なのが制作部の存在です。
制作部ってなに?と
思う人もいるかもしれません。
会社で言うところの営業職と経理を合せたようなもので、
他のスタッフが内側を向いて作業しているとしたら、
制作部は外側にある社会と作品を結びつけるような役割を持っています。
映画が好きで映画の仕事がしたい。
だけど技術も知識もないし無理かも…と思っている方は制作部をやってみても良いかもしれません。
この記事を読むと制作部の仕事の内容がわかります。
具体的に制作進行で僕がやっていた仕事内容まで書いてあるので参考になると思います。
とっても大事な部署なので解説していきます!!
この記事を読めばさらに映画が好きになり、
映画業界で働いてみようと思えるんじゃないかと考えております!!
それでは書いていきます!!
制作部の仕事を極めれば他の仕事は簡単にできる
映画・ドラマの制作部
はじめに制作部の仕事内容を説明します。
まずは下記のスライドをご参照ください!!
(去年のリマインド、、、というのはこのスライドは学校の授業で使用したものですので気にしないで下さい)
制作部の役職は制作担当、制作主任、制作進行の3段階です。
それぞれが違う役割を持っております。
担当と主任は仕事内容が似ているので、担当と進行の仕事内容を下記のスライドにまとめましたので参照ください。
この様な作業を準備、撮影と繰り返ししていきます。
上記の内容で大切なポイントは5つです。
5つのポイント
撮影現場の管理
ロケ地の選定(ロケハン)
公共の許可撮り
ロケの予算管理
ロケを円滑に進める
その中でも制作部が輝く仕事「ロケハン」について詳しく解説していきます。
ロケハンとは?
ドラマや映画を作るときに、ロケ地を選定する作業があります。
脚本に出てくる場所を探す作業、それがロケハンです。
脚本を書くためにやる作業はシナハン(=シナリオハンティング)です。
ロケハン=ロケーションハンティングです。
このロケハンと言うのがとても難しいのです。
何が難しいか?脚本を読んで、
その脚本にあてはまるシチュエーションを考えるのですが、
喫茶店という場所が出てきたとして、
そこが近所にある設定なのか、
駅前なのか?古いのか?新しいのか?
そこに行く人物はなぜそこに入ったのか?
アクションシーンがあるのか?
座る向きや撮影しやすさ、
広さはどうなのか?など
本当に沢山の要素を集約し、
想像に想像を重ねた上で、
場所を選びます。
選ぶだけではダメで、
その場所が実際に借りれるのか交渉していきます。
一つの場所を選ぶのに制作部は、
場所探しをするだけでも、
沢山のことを考えて探しております。
理想的なロケハンのやり方も考えてみます。
ロケハンのやり方は人それぞれ経験から変わってくるものなので、
あくまで私の理想ですが、
とにかく足で探し回ること。
家のロケハンなら、
自分が想像した家を見つけて、
チャイムを鳴らし突撃するくらいの勢いでガシガシロケハンをすることです。
なぜかと言うと、
これをすることにより圧倒的な行動力が身につきます。
ロケハン=行動力。
圧倒的な行動力でロケハンをすれば、
沢山の人に交渉できます。
交渉相手はいろんな方がいるでしょうし、
やればやるほど自分のスキルが上がります。
映画の撮影に場所を貸してくださいという交渉は相手にもメリットがあるので、
理不尽な対応を受けることはごく稀です。
交渉の練習と思えばとても大きな経験値を手に入れることが出来ます。
足で回ること、たくさんの街や空間を見ることにより、知識がドンドン増えていきます。
気づけば、カーナビいらずで東京を車で走れるようになります。
タクシーの運転手さんより道が詳しくなるでしょう。
行動力が身に着けば、
他のことに応用して使っていけます。
ロケハンをやるだけで、
いつの間にか沢山のスキルが勝手に身に着いている。
そんなことってあります?
まだまだ朗報があります。
ロケハンをやるのに経験値はいりません。
ロケハンに対する経験値とは
“過去に探して撮影ができた場所を知っている”
ということくらいです。
その経験値はなくても過去に撮影したことのある場所は、
インターネットで調べれば情報があふれている世界すぐに探すことができます。
経験値がなくても全く問題ありません。
ゼロから始めても圧倒的に行動できればすぐに交渉力が身につくので過去の経験がなくても出来てしまうのです。
ロケハン=行動力
自信を持って自分が気に行った場所を探し、交渉してみてください。
自分がココだ!とピンときたロケ地がドラマや映画の舞台となって使われているのを見るとワクワクします。
ロケハンの解説は以上になります。
制作部は楽しいけれど大変な部署でもあります。
制作部は超絶大変な部署
「どんな風に大変なの?」と気になると思うので、
1番下の制作進行の1日をお伝えします。
制作進行の仕事内容は、
その名の通り撮影現場の進行が何不自由なく進むように環境を整えたり準備をしたりするのが仕事です。
撮影を進めるスタッフはいても、それを外とつなげる役目(社会や世間)をするのは制作部以外いません。
その中でも進行の仕事は。。。
制作進行の1日をドラマ風にしてみました!!
拙い文章ですがご了承ください。
制作進行の1日
静かな部屋の中で、つけっぱなしのテレビがカラーバーを表示している。
携帯のアラームが大音量で鳴り響く、
びっくりした様子で飛び起きた瞬間、
制作進行の1日が始まる。
お湯を沸かすこととコーヒーを作ることが日課。
AM3:00
ボタンをポチッと押してウツラウツラしながら、
コーヒーメーカーやヤカンの奏でるmusicと共に朝が始まった。
外はまだ真っ暗であり、隣の住人も寝ている時間。間違いなく迷惑であろう。
家を出て作ったお茶類を運ぶのに駐車場まで3往復しスタッフ50人分のお茶を運ぶ。
車に荷物を積み撮影現場に向う。
道中、車内から見える朝焼けがとてつもなくきれいで身に染みる。
AM5:00
撮影現場に到着すると俳優さんのスタンバイをする場所作り。
す抜けの場所なら周りから見えないような工夫をしたり、ティッシュや机イスなどの備品を運び、お菓子やお茶、朝ご飯を用意したり。。
起きてすぐの猛ダッシュしている感覚に陥る。
AM6:00
メイクさんや衣装さんなどスタンバイチームが撮影現場に到着し、
部屋に誘導したり、撮影現場の案内をする。
それと同時進行でスタッフが撮影しやすい状況作り。
機材を積んでいる車を誘導したり、
明るい時に夜のシーンを撮影する場合は遮蔽(日を遮る)したり、
スタッフが飲むお茶を並べる。
朝起きてから3時間しか経っていないとは思えません。
大体この辺りから今日の撮影早く終わらないかなぁ、、と思ったり(笑)
AM7:00
撮影隊が到着。撮影が始まる。
俳優さんが現場に来たら、
一般の方を速やかに誘導、
工事現場の音を止めに行ったり(高性能マイクなので台詞が。。)
通行してる人が映らないように人止め、車止め。
現場で必要な備品があるとトランシーバーで呼ばれます。
誰にも見られない場所に隠れてもトランシーバーのおかげで1秒たりとも気を抜けません。
このトランシーバーを聞きのがしたり返事をしないとめちゃくちゃ怒られます(笑)
撮影が残り数カットになると移動の準備をして自分で運転をして、次の撮影現場に向かいます。
車での移動中にスタッフの昼食、
夕食を発注しているお弁当屋さんと連絡をとりつつ、
明日以降の弁当発注をしたり、
これから撮影する場所の確認をしたり、
ちょっとした撮影の休憩時間があれば地図を書いたり。
これを夜までくり返していきます。
PM10:00〜11:00位
撮影が終わり(終わらない時もあります)撮影現場を片付け、
1日のゴミを撮影スタジオ(家との距離が往復1時間位)に捨てに向かい、
明日みんなに渡すスケジュールや地図など資料をコピーして、
家に戻りがてら車にガソリンを入れて終了です。
AM1:00位
帰宅。
次の日のお茶の準備をしながら力尽きて寝たり、
自宅の駐車場まではなんとかたどり着くのですが、
そこで朝を迎えたりします。
日によっては1日24時間で足りない時もあるんです、マジで(笑)
2時間ドラマだと3週間程度、
連続ドラマだと3ヶ月半、
映画だと平均2ヶ月くらい、
制作進行はこれを繰り返しています。
こんな感じです。
言葉で聞くと「無理」と思うかもしれませんが、
やってみると意外に楽しい。。
やった人にしか分からないですが、
やってみればかなり人間として成長できること間違いありません。
ひと言でお伝えすると、制作進行は人生の修行です!!!
制作部の仕事は社会的本質を学べる
制作進行は人生の修行と上記でお伝えしたのには理由があります。
とらえ方を考えられれば制作部で学ぶ内容は、
社会的な本質の部分にあたるのです。
理解することで、
制作部を辞めて他の仕事についたとしても大体の仕事は簡単にこなすことができます。
できるようになること参考例
- コミュニケーション
- ロケハンから学ぶ交渉術
- 物事の捉え方
- ストーリーの描き方
- お金の使い方
何も考えずにやると全く身につく事はありません。
仕事を通して学ぶことが何であるかをまずは考えることで、その全てが制作部の仕事の中に詰まっていると言っても過言ではありません。
まとめ
映画が作りたいけどやり方がわからない、
と言う人は制作部を始めてみるのもいいかもしれません。
制作部から他の部署に転職する人も業界にはたくさんおります。
やれることをどんどん形にしていきましょう!
制作部やりたいけど生活が不安と思う方はこちらの記事を参照ください!
参照:https://tmbox.jp より
ラインプロデューサーの役割も解説しているので気になる方は、
下記の記事を参照して下さい!
ラインプロデューサーの仕事内容を理解すると1人で映画が作れます!
映画をつくる世界は大変かもしれないけれど、
とてつもなく楽しい世界です。
この記事を最後までお読みいただいた皆様はきっと映画の世界に興味がある人だと思います。
大変な世界は自分には無理だとやらないで諦めるならば、僕が背中を押してあげるので一歩歩んでみましょう!!
業界で皆様に会えることを期待しております。
最後までお読みいただきありがとうございました。